出会いと別れ(soi28)

ちょっと真面目な日常のひとかけらを。戯れ言みたいなものかもしれないけど。(笑)

 二十歳で海外に出て、いろんな国を旅して、生活拠点を大阪から東京に移し、あっちこっちと行ったり来たりしながら、今ここ、拠点をタイに移し、もうかれこれ十四年余りが経った。タイは自分の生活スタイルも含め、色々としっくり来ている国なんだろう。

本当、タイ王国に毎日感謝である。

 本人として、ペロンヤスとして、またフンドシマンとして生きていく中で、人生少なからずいろんな出会い、いろんな別れがあったし、これからも年を重ねるごとにもっと増えると思う。それはまた死だったり、もう会えない何かなどの永遠の別れだったり…。もちろん人間は感情がある生き物やから、切り替えれずあとを引く別れだってたくさんある。

とはいえ、そんな事はなんてことない世間一般、当たり前の日常の一片だったりする。
大小問わず、人間誰だって毎日が人間ドラマである。

 みんな、そんな中で付き合いができて、お互いを知り尽くし、何十年も古く長く続いている仲も沢山あると思う。積み重ねてきた信頼。

 今となっては笑えるが、旅の最中、出会った男から夜には全財産はおろか、カードでのキャッシングも追加で盗まれたこともあった。また数年経って、たまに遊んでた友達がフンドシマンの部屋に侵入し、お金を盗み逃走したこともあった。騙されたり、裏切られたりとホンマ色々あるわ…。
 悔しいけど、人間とはそういう生き物であるという諦めの気持ちにもなった。生きてる以上、そんな事は大した問題ではないのかもしれない。そんな、最近起こった人間模様というか、戯言をぼそりと書き綴りたくなった。
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A氏との付き合いはまあ、ボチボチ長かった。
ただ、最近あまりよくない噂も周りを伝って耳に入ってきてはいた。
場にそぐわない行動もここ数年見てきた。
自分が勝手にそう、思ってただけかもしれないが、つきあっていて不器用で熱いやつではあった。表現が適切でないかもしれないが、直接的に害はなかったから、その実感が薄かったというか、まわりのそうなんや。そうなんや。噂をむやみに信じるという行為にとても抵抗があったから、A氏に対する対応は至って普通であった。

そしてその噂を確かめる時が自然とやってきた。

電話がかかってきた。仕事の話。そして、その前に私事で悪いが、少しお金を都合つけてほしい。仕事に関しては微妙なのでスケジュールは空いてたけども、一度丁重に断った。そもそも性格的にも安易に誰かれお金を貸す気もなく、そっちも丁重に断った。二度目の電話。電話口で頼みこむ。仕事に関しては、ワシを指名してるからと相手はいう。頼む、是非受けてくれと。仕事内容と曜日の確認。そして、お金に関しても、自分が特に友人同士でのお金の貸し借りは諸事情もありしないとちゃんと説明する。それを踏まえた上で、A氏は王様が御崩御なされて仕事も少ない。今まで、俺がこんな事頼んだことないだろ?どうかこの通りだ。俺とお前の仲じゃないか。嘘は絶対つかないから。約束は必ず守るから。電話口で頭を下げる。そこまでしての頼み。絶対、必ず、約束という言葉がどれだけのものか。付き合いもボチボチ長い。

「火のない所に煙は立たぬ」
こんな形で相手の本心を探るようなやり方は好きではないが、この際、噂の真相というか、白黒をつけてみたいという気持ちになっていた。 続く…。 

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